“ブリタイム”の幕開けだ。１―０の３回無死一、三塁。ブリンソンが１ストライクからエスピナルの高め１３８キロ速球を振り抜くと、打球は美しい弧を描き、左翼芝生席で弾んだ。打った瞬間それと分かる一発は、来日１号３ラン。スラリとした美脚で大きなストライドを取り、悠然とダイヤモンドを一周すると、仲間の祝福に笑顔がはじけた。

　「非常に感触は良かったです。ホームランを狙ったわけではないですけど、何とか打点を挙げようとして、芯に当たっていい結果につながりました」

　米国時代から行う本塁打パフォーマンスを、予告していた。「腕時計をさすのがアメリカで、はやっている」。三塁を回る直前、左手首に腕時計があるかのように指さしてから見るポーズを、日本で初披露した。ＮＢＡトレイルブレーザーズのスター選手、デイミアン・リラード（３２）の決めポーズをまねたものだ。勝負所でシュートを決める時間帯は、名前にちなみ「デイムタイム」とも呼ばれる。「時間の確認をするポーズがめちゃくちゃ格好良くて。今年のホームランの自分のセレモニーにしようかなと思っています」。東京Ｄを中心に、“ブリタイム”が何度も見られるはずだ。

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